2012年11月12日

メディネットとの共同研究結果

2012/11/09

2009年から続いていた共同研究について、初めて全体像が明らかになりました。
ノーベル賞を取った樹状細胞を用いた、免疫細胞治療は、今後の大きな医療分野を
切り開いていくかもしれません。特にリンパ節への移行はガンの転移に対し有効であると
考えられます。

あらゆる治療法との親和性の高さ、これが薬物デリバリープラットフォームの本質なのだと思います。

〜研究報告〜
腎臓がん治療などで承認を受けている、免疫力を高める(T細胞を活性化する)作用を有するサイトカイン※1 の⼀種であるインターロイキン-2(IL-2)を内包するミセル化ナノ粒⼦を創製し、免疫細胞治療のひとつである樹状細胞ワクチン療法※2の併用効果についての共同研究を実施してきました。
その結果、マウスのがんモデルに対して、ミセル化ナノ粒子内包IL-2 と樹状細胞ワクチンの併用は、従来のIL-2 溶液と樹状細胞ワクチン療法の併用に⽐べて、がんを特異的に攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)※3 の誘導を著しく高め、それにより、抗がん作用も大幅に増強することを⾒出しました。
この効果は、ミセル化ナノ粒⼦に内包されたIL-2 が血中で長時間ゆっくり放出されること、また、ミセル化ナノ粒⼦内包IL-2 が体内のCTL の増殖する部位であるリンパ節と腫瘍へ移行しやすいことによるものと考えられます。IL-2 のリンパ節と腫瘍への移行はIL-2 溶液では見られないものであり、ミセル化ナノ粒子による徐放性効果と併せ、本発見は従来の樹状細胞ワクチン療法の効果を大幅に高める可能性を示唆するものです。
本結果に基づき、当社とメディネットは更なる共同研究を推進する予定です。
当社は、メディネットと共同で実施してきたIL-2 を内包するミセル化新薬の本研究開発により、新しい分野の高分⼦医薬品となるタンパク質ミセルによる治療薬の確⽴に一歩前進致しました。今後も、患者さんのQOL 向上を目指した医薬品の開発を着実に進めて参ります。
尚、本件による平成25 年3月期業績への影響はございません。

※1:サイトカイン
細胞から放出される、体の機能を制御するタンパク質の総称。免疫機能、抗腫瘍作用、造血機能等を制御する機能を有するものが知られています。

※2:樹状細胞ワクチン療法
樹状細胞は、がん細胞に由来するたんぱく質を貪食し、それをがん抗原としてT リンパ球に提示することにより、がん細胞を特異的に攻撃する細胞傷害性T 細胞(CTL)を誘導します。
樹状細胞ワクチン療法は、この働きを利用した免疫細胞治療の⼀種で、患者体内でCTL を誘導し、がん細胞を特異的に攻撃させようとする治療技術です。

※3:細胞傷害性T 細胞(CTL)
CTL とはCytotoxic T Lymphocyte(細胞傷害性T リンパ球)の略。T リンパ球の一種で宿主にとって異物になる細胞(がん細胞・ウイルス感染細胞・移植細胞など)を認識して殺傷します。


posted by 戦うサラリーマン at 21:55| Comment(0) | インターロイキン-2(IL-2) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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